経験代謝

私がCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)として所属している日本キャリア開発協会では、このところ「経験代謝」という概念を発表し、会員に研修を行うなど、周知に力を入れています。

私はまだ研修には参加していないのですが、会報と一緒に郵送されてきた冊子に「経験代謝」の記載があります。以前、少し読もうとしたのですが、なかなか理解が追いつかなかった記憶がありまして、今回、改めて冊子をを読みながら、自分なりに「経験代謝とは何か」を考えてみたいと思っています。

さて、ここまで書いたところで、いったんパソコンから離れて、冊子の一冊目「キャリアカウンセリングとは何か 第1章」を読みました。以前に読んだときと違って、結構すんなり入ってきたような気がします。適切かどうかわかりませんが、自分なりに「経験代謝」を言い換えるとすると、こんな感じでしょうか。

「キャリアカウンセリングを通して、過去の出来事を前向きに再定義することにより、自分の人生を前向きに捉えられるようになっていくこと。」

カウンセラーがじっくり話を聴くことによって、クライエントが過去の出来事を安心して話しはじめ、やがていろいろな感情が出てきて、ある時に気付きが起きる、それまで否定的にしか見られなかった過去が、自分の一部として肯定的に再構築される・・・そんなイメージです。

最近はフォーカシングに熱心になっていたり、このところナラティブセラピーの本を読んだりしていたので、ちょうどその2つの理論が頭に浮かび、理解を助けられたように思います。

うまく説明できているかどうかわかりませんが、私なりに言えば、「経験代謝」とは、フォーカシングでいえば「体験過程が深まり、フェルトセンスに触れ、やがてフェルトシフトしていくプロセス」であり、ナラティブセラピーでいえば「オルタナティブストーリーを意味付けていく」プロセスではないか、と思っています。

体験的に、自分の人生を肯定的に捉えられるかどうか、前向きに表現できるかどうかが、就職活動や転職活動において極めて重要だと感じています。その意味で、「経験代謝」はキャリアカウンセリングのひとつの軸だと言えるでしょう。

ではどのように?という質問に対しては、

  1. 経験の客観視(経験を描く)
  2. 自己概念の影

と記載されています。ひとつめはカウンセラーがクライエントの経験についての状況、心情を聞いていくこと。これは共同作業のようなものだとされています。二つめは少しややこしいですが、自己概念の影=キーワード、とされていて、カウンセリングの中で繰り返し出て来る言葉や表現ということでしょう。これが気付きへの手がかりとなります。

このあたり、具体的な進め方について、私が今メインでやっている学生支援の場合はどうなるかなと考えつつ、ひとまず自分なりの「経験代謝」の理解ができたところで、続きはまた次回以降にしたいと思います。