プレゼンスとしてのリスナー

KNC関西人間関係研究センターのフォーカシングセミナーに通っていまして、全10回のうち、残すところはあと2回です。

前回は実際にフォーカサー(クライエント)とリスナー(カウンセラー)をそれぞれやってみて、たぶんこれまでの7回のうちで最も得るものが大きかったように思います。

特に印象深かったのは、プレゼンス(存在)としてのリスナー(カウンセラー)というものです。つまり、ただそこにいるだけ。じゃあそのあいだフォーカサー(クライエント)が何をしているかというと、じっくりとフェルトセンスを感じたりとかして、体験過程を深めていくわけです。

そんな、まさにプレゼンスとしてのリスナーを感じたセッションをフォーカサーとして経験したのが前回でした。あるトレーナーの方がリスナーで、最初はクリアリングアスペースなどのガイドをしてもらってたんですが、途中から、なんというか、私が将棋なんかの長考に入ったような感じなんですが、じっくり中に入ったほうが良いような感じがして、すっと眼を閉じてフェルトセンスとの対話に入りました。時間にして5分くらいでしょうか、その間に気付き(フェルトシフト)があって、スッキリして目を開けて、どうも、おつかれさまでした、と、そんな感じです。

最初は「なんか内にこもるようでリスナーに悪いかなあ」みたいな感じもあって、ちょっとざわざわ感じているところもあったのですが、前回は「リスナーに気を使わずに思うようにフォーカサーをしよう!」というのがテーマだったということもあって、気持ちを落ち着けて続行。リスナーの方もじっくり待ってくださっているというか、待っている感じもなくて、まさにそこがプレゼンス(存在)、ただそこにいてもらった、その結果、じっくりとフェルトセンスと話し合えた、というところです。

じゃあそもそも一人でできるんじゃ?と言われるとそうでもなくて、そこにいたるまでのクリアリングアスペースなどのガイドは無くてはなりませんでしたし、自分がフェルトセンスと向きあうところに、じっと見守ってくれているような、支えてくれているような、そんな安心感とか心強さとか、そのプレゼンスはプレゼンスでなくてはいけないのです。存在だから。

最近いろいろと本を読んだりしているうちに、フォーカシングとゲシュタルト療法の身体感覚へのアプローチと、あとプロセスワーク(プロセス指向心理学)って、同じように見えるけどどう違うんだろーかと思ったりしていたのですが、手順としては同じであっても、その前提となる思想や理論が異なるのだということなのでしょう。そらそうなんですが。

ちょうど数日前から読んでいる近田輝之先生の「フォーカシングで身につけるフォーカシングの基本」によると、フォーカシングとフォーカシングに似た身体へのアプローチとを区別する独自性は次の3つだそうです。カッコの中は吉川の理解による補足。

(1) フェルトセンス(をダイレクトに扱う)
(2) フォーカシング的態度(受容、優しさ)
(3) 体験過程理論

プレゼンスとしてのリスナーというのは、ここでいう (2) に含まれるかと思います。だから、前回感じたプレゼンスとしてのリスナーというのが、フォーカシングらしさのコアのひとつなんだろうなと、体験と本の理論とが結びついていきました。

あとこの本はロジャーズからジェンドリンへの流れ、クライエント中心療法がいかにフォーカシングにつながっているか、あるいは同一のものであるか、が詳しく説明されていて、すっごく面白いです。これまでキャリアカウンセラーとか産業カウンセラーとか、ロジャーズの名前と概要だけはよくよく勉強(というか試験対策としての暗記)をしてきましたが、その後期に体験過程理論を取り入れていったところについては全く知りませんでしたし、そのあたりのところを理解していくと、ロジャーズが日本で誤解されているというのもなるほどーと思います。

日頃の就活支援キャリアカウンセリングでは、内容的にどうしてもこちらが話す(情報提供)ことが多くて、気がついたら話し続けていたりとか。プレゼンスとしてのカウンセラーというのも、また意識していきたいなあと思った次第です。

フォーカシング・セミナー

本日もKNC関西人間関係研究会のフォーカシング・セミナーに行ってきました。たしか4回目くらい。今回も関西大学の池見先生がいらっしゃって、実際にセッションを行って、受講者含めてシェア、という流れ。本当に勉強になりました。

ざっくりと、ですが、本日の気付きをメモしておきたいと思います。(私の中での気付きであって、セミナーでそのように説明を受けたわけではないものも含みます)

  • フェルトシフトには大きなものもあるし、小さなものもある。書籍なんかでは、フェルトシフト=涙を流しながら・・・という印象でしたが、いわゆる小さな気付きも含まれて、実はそれが大事。カウンセリングとは何かが劇的に変わるものではなくて、じわっと効いて、気がつけば変わっている、というようなもの。スモールステップ。
  • フォーカシングの技法は、カウンセリングの中でさりげなく出てくるくらいでもいい(クライエントにあわせる)。一式の技法ができないとフォーカシングをマスターしたことにならない、と思い込んでいたので、これは大きな気付き。
  • これまで、フォーカシングでは、フォーカサー(クライエント)にもスキルが求められるというか、フォーカサーの作法を知っていないと出来ない=フォーカシングは少々敷居が高い、というように思っていたけど、そもそもクライアントセンタードの考えからいけば、クライエントが混乱しないように、いきなりフェルトセンスを感じるような問いかけをせず、まずはしっかり話を聴くことがあってもいい。(これもクライエントにあわせる)
  • ジェンドリンいわく、カウンセリングで最も大切なものは「関係性」、次に「傾聴」、それから「フォーカシング」。カウンセラーが理解したことを伝えて、クライエントとつながっていくことができれば、ある意味、他は何をしてもいい。関係性だとなると、技法やスキルではなくて、あり方とか精神性、あるいはロジャーズがいうところの自己一致とか、そこのところが重要になってくるのかな、という印象。

フォーカシングの勉強をしに行く=フォーカシングの技法をマスターする、というような気負いがあったのですが、結局のところ、ロジャーズの流れ、クライアントセンタードを学びに行っている、ということなのだと思います。確かに、技法ありきではありません。クライエントがそこにいて、一人の人間として向きあう、寄り添う中で、フォーカシング的な技法が用いられたり、ソリューションフォーカス的な技法が用いられたりするのだと思います。

あまり難しく考えず、私なりのフォーカシングを、日々実践したいと感じた勉強会でした。

セドナメソッド

先日、三宮で開催された安藤理さんのセドナメソッド入門セミナーに参加してきました。セドナメソッドは本で読んで自分なりに試してみた程度。なんとなく効果は感じるような、でもシンプルすぎてこういうやり方でいいのかな?という気持ちもあり。実際にセミナーでガイドを受けながらやってみて、スクリプトを数回繰り返していくこととか、本にも書いてあることとはいえ、本で読む以上の腑に落ち感があります。再度、本をよく読んで、もう少し深いやり方のところを実践したいと思っています。

ところで思ったのが、セドナメソッドとクリアリング・ア・スペース(フォーカシング)の類似性。たぶん原理としては同じなのかな、と。いずれも「今ここ」を感じるプロセスですもんね。そして手放すとか、しっくりくる場所に置いてみるとか、いずれも外在化的。クリアリング・ア・スペースのほうが、じっくりとひとつひとつのフェルトセンスをみていく感じで、セドナメソッドはスクリプトに沿って淡々と進めていく感じ。どちらがいいとかではなくて、しっくりくるやり方であって、かつ効果があるのなら、良いんじゃないかなーと思ったりする次第です。

個人的には、時間があればクリアリング・ア・スペースでフェルトセンスをじっくり感じて楽しみたいし、でもクイックモーションでやるべきときはセドナメソッド、あともし誰かにやり方をつたえるとすればきっとセドナメソッドのほうがシンプルでいいかと思っています。セルフケアの手法はいろいろ引き出しを持っておきたいところ。

ちなみに今のところ自分の中で最強のセルフケアは、スケーリングクエスチョン(解決志向ブリーフセラピー)を自分にやってみるという方法です。あとTFT(タッピング)も一度カウンセリングの中でやってもらったことがあって、びっくりするくらいに効果がありました。自分で出来るようになりたいなあと本を買ったものの、ちょっとプロセスが複雑なのでそのままに。

フォーカシングのセミナー

今日は関西人間関係研究センター(KNC)のフォーカシングセミナー(全10回)の第1回目でした。

初回ということで関西大学の池見先生からお話がありまして、えらい盛り上がってそれだけで時間いっぱいになってしまったのですが、いやこれは本当に勉強になりました。

フォーカシングの体験過程について、「暗在と明在」という言葉と図を使っての解説で、文字にすると説明が難しいような、というか書いてしまうのがもったいないような、なのですが、ロジャースのクライエント中心療法とジェンドリンのフォーカシングとの距離の近さ、あるいは同一であることの意味がしっくりと腑に落ちたような感じです。ロジャースが受容と共感と自己一致という三条件を使って伝えたかったこととは、つまり体験過程そのものだったと・・・。

あとは漢字を使ったワークのお話。7月に2泊3日のフォーカシングワークショップに行ったときにタロットカードを使ったワークをしたのがとても気に入って、実際に自分でもタロットカードを購入して、占いのやり方はよくわからないのですが、時々一人でワークをしていたりします。(フォーカシング指向タロットカード・セルフケアと勝手に命名)

おそらく、自分の感覚を語ることができるのであれば、その題材はタロットでも絵でもコラージュでも、いっそボールペンでもiPhoneでも何でもよくて、どんなものであってもゼロから「じゃあ今の感じを教えてください」というよりも話しやすいのだと思います。そしてそれは漢字文化圏なら「今の気分を漢字一文字で!」というのがすごくやりやすいそうなのです。

話を戻しまして、「暗在と明在」のイメージを持つことが、それが現場のカウンセリングにおける羅針盤になるんじゃないかと思いまして、今日の最大の成果であったかなと思います。このセミナーに申し込んで良かった!と心から感じました。