若年者のキャリア支援で活用できるツールなど

独立行政法人 労働政策研究・研修機構
キャリアカウンセリング、キャリアガイダンスなどで使えるツール群です。

OHBYカード
様々な職業の写真カードを使ってカードソートを行うツールです。

総合的職業情報データベース「キャリアマトリックス」
500種類の仕事内容の閲覧や、興味・価値観・スキルから適職を探す診断ツールなど。

職業レファレンスブック
主な1,000の職業を掲載したハンドブックです。中身はキャリアマトリクスでも閲覧できますが、手元にあると心強いかも?

職業ガイダンス資料シリーズ
求職者、支援者向けの各種資料です。

知るぽると(金融広報中央委員)
こちらはFP的な視点から、生活設計やキャリアガイダンスで活用できる資料などです。

生活診断設計
いくつかの項目に家計に関する情報や数字を入力すると、簡単なライフプラン分析をしてくれます。

暮らしと金融なんでもデータ
生活に関わる様々なデータ集。生活費とか、レジャーにかかる費用とか、子どもの教育費とか・・・。

これであなたもひとり立ち
高校生を対象とした、金融教育のワークブックです。先生用の指導書もあります。

アサーションの本

アサーショントレーニングの本を読んでいます。何人かのキャリアカウンセラーの仲間から、別々に、なんですが、平木先生の本を紹介されていまして、そのうち読んでみようと思いつつそのうちが来なくて、先日、本屋さんをぶらぶら歩いていると、ふと目に飛び込んできました。おお、そのうち、が来た、と思ってすぐに購入。少しずつ読んでいます。

以前にビジネス雑誌なんかの特集で見たり、チラチラとアサーショントレーニングのことは知っているつもりだったのですが、

「自分の意志を主張しすぎるのではなく、我慢して自分を抑えるのでもなく、適切な主張をする技術」

という程度の理解。おそらく間違ってはいないのですが、コミュニケーションスキルとしての理解程度でした。

本を読んでいて「なるほど!」と思ったのは、アサーションが権利、全ての人に認められている人権だということです。そのあたりの背景とか思想とか、そういうことを含めて考えると、アサーショントレーニングというのは奥が深い。

例えばキャリアカウンセラーとして日々現場に出ているとき、カウンセラーの「自己一致」の結果として、何か気持ちや考えを適切な形で伝える方法として・・・とても勉強になりそうです。

あとは就職活動の面接でも有用でしょうし、社会に出てから適切な形で先輩や上司とコミュニケーションしていくガイドライトしても心強いのではないかな。私ももっと若い頃にこういった考え方やスキルを身につけていれば、上司や先輩と余計なケンカをしなくて済んだのかもなー、とか、そんなことを感じました。

2012年卒の皆さんの支援に向けて

10月になりました。今月から2012年卒の学生さんを対象としたキャリアカウンセリングの仕事が始まります。10月1日付けで2011年卒の方々の内定率は55.8%で、昨年よりも3ポイント低いとのこと。まだまだ新卒採用の状況が厳しいなか、2012年はどのようになっていくのでしょうか。

しかし一人ひとりでみれば、決まるのか決まらないのか、ただそれだけです。あまり数字に惑わされず、ご自身にとって納得のいく就職活動ができるよう、支援していきたいと思っています。

キャリア支援に答えはありませんが、これまでの現場での面談を振り返ると、ざっくりと次の3つの観点を気にしながら話を聞いたり話をしたりしているように思います。

  • 文章力・・・履歴書やESで問いにきちんと答え、かつ論理的でわかりやすい文章が書けること
  • 対話力・・・面接で双方向で自然な対話ができ、面接官に好印象を与えられること
  • 意志力・・・キャリアビジョンを描き、選考を通して熱意や意気込みを伝えられること

他にも大切なことはいろいろあります。一度、「就職活動に必要なXXの力」みたいな文章を書いてみたことがあるのですが、どんどん数が増えていって収集がつかなくなってしまいました。なので逆に絞り込んで3つというと、このあたりかな、という印象です。

書き始めると長くなりそうなので、今回はこのあたりにしておきます。

日経新聞 来春採用学生、一斉に内定式 留学生目立つ
国内主要企業は1日、2011年春入社予定の学生を集め一斉に内定式を開いた。雇用情勢は回復しつつあるものの、7月時点の大卒内定率は5割強にとどまる。経営環境のグローバル化への対応で、外国人採用を拡大する動きも広がり、留学生が日本人学生と肩を並べる姿が多く見られた。
「大胆なチャレンジを最後までやり遂げる若い実行力に期待している」。NTTドコモが東京・千代田の本社で開いた内定式で、山田隆持社長は240人の学生にこう語りかけた。内定者のうち11人は中国、韓国、インドなどアジアを中心とした外国籍だ。今後も数人の留学生を追加採用する計画で、人材のグローバル化を進める。
楽天の内定式には来春入社予定の約480人が出席。同社は今春から社内公用語を英語にしており、今回の内定者が英語化後の採用“1期生”となる。三木谷浩史社長は「楽天はまだベンチャー企業。グローバル化でさらなる成長を目指す」と英語であいさつ、内定者代表も英語で抱負を述べた。内定者のうち外国人は約80人で、今春入社の17人から大幅に増えた。
日本経済新聞社が11年春を対象に実施した調査では、大卒採用計画数は前年比2.3%増えた。前の年に比べ19.6%減と大幅に落ち込んだ10年春に比べると、雇用情勢は回復傾向にある。
ただ、リクルートによると7月上旬時点の大学生(大学院生含む)の内定率は55.8%で、前年度の同時期の調査に比べ3ポイント低下した。大学進学率の上昇で、民間企業に就職を希望する学生の数がこの10年で1割増えたことも、就職難の構造的な要因となっている。

解決志向ブリーフセラピー関連書籍

最近、学生支援の同僚のなかで解決志向ブリーフセラピーが密かに?流行っていて、勉強会に参加したり、本を回し読みしたり、とみんなで勉強をしています。

そういった時に紹介できるように、私が今まで読んだ解決志向ブリーフセラピー関連の書籍をまとめておきたいと思います。

森俊夫・黒沢幸子「<森・黒沢のワークショップで学ぶ>解決志向ブリーフセラピー」(2002年、ほんの森出版)

一番最初に読ん解決志向ブリーフセラピーの本です。解決志向ブリーフセラピーの著書を多数出しておられる森先生、黒沢先生のワークショップをそのまま文章に起こしたもので、両先生のジョークや悪ノリ、ツッコミなどもそのまま掲載されていて、初めて読んだときは「なんやこれは!」と驚いたものです。

しかし内容は解決志向ブリーフセラピーの基本的な考え方から一通りの手法、また全体をとおして解決志向のマインドにも触れられる、とても良い一冊です。解決志向ブリーフセラピーとはなんぞや?という方は、まずこちらから入られるといいでしょう。

読みやすくて全体像が把握できるようになっていますので、まず最初に読む本として素晴らしく、また一通り読んだあとで復習として読み返す本としても良いかと思います。

森俊夫「先生のためのやさしいブリーフセラピー」(2000年、ほんの森出版)

次に読んだのがこれ。出版されたのはこっちのほうが古いようです。「月刊学校教育相談」という専門誌があるそうでして、そちらに掲載された森先生の連載、その後半部分だそうです。(前半部分は別の本になっています)

「先生のための」とありますように、学校の先生やスクールカウンセラー向けのブリーフセラピーの本という位置づけではありますが、学生支援のキャリアカウンセリング、もっと年齢層が上の場合でも十分、参考になるかと思います。実際、学校の先生を相手にロープレしている事例も紹介されています。

本書の注目は特に後半部分、ロープレの逐語記録の随所に森先生の解説が加わっている点です。ブリーフセラピストはこんなふうに考えながらやってるんや・・・と目からウロコでした。

森俊夫「“問題行動の意味”にこだわるより“解決志向”で行こう」(2001年、ほんの森出版)

前述の「月刊学校教育相談」での連載の前半部分がこのブックレットだそうです。「先生のためのやさしいブリーフセラピー」が事例も交えた具体的な内容になっているのに対して、こちらはやや原則論的な内容です。

私なりに解釈すれば、解決志向ブリーフセラピーが解決志向ブリーフセラピーたるゆえんは、ミラクルクエスチョンとかスケーリングクエスチョンとかコンプリメントとか、まあそれも大事には違いなんですが、それよりもその手法が使われる意図、マインドの部分にあるのだと思います。この本を読んで、解決志向ブリーフセラピーのマインド、ブリーフセラピストの在り方、解決志向とは何か、ということが腑に落ちた気がしました。

薄いブックレットなので、すぐに読めるのでこちらもオススメです。CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)の研修で「ソリューション・フォーカス」(解決志向ブリーフセラピーとほぼ同義)のコースがあり、そこで講師を務めていらっしゃった方からご紹介いただきました。

黒沢幸子「指導援助に役立つスクールカウンセリング・ワークブック」(2002年、金子書房)

まだ全部読んでいないのですが、スクールカウンセラー、学校の先生向けの解決志向ブリーフセラピーのワークブックです。質問形式で、こんなときにどう答えるか? というワークで構成されています。

大学生の就職支援をしているときに、カウンセラーとして話を聞く部分と、一人の社会人としての情報提供や私の主観が入ったコメントをする部分とのバランスに悩んだ時期があって、学校教育の場合はどうなんかなあ、と思ってちょうど見つけたのでした。学校でのカウンセリングでは、話を聞く部分と指導する部分(訓育的指導)がそれぞれ必要といった感じで書かれていて、なるほど、と思ったものでした。

黒沢幸子「未来・解決志向のブリーフセラピー タイムマシン心理療法」(2008年、日本評論社)

いくつか基本的な本を読んで基礎がわかったところで、という前提付きですが、この本は本当にオススメです。読んでいて4~5回は泣きました。

解決志向ブリーフセラピーのミラクルクエスチョンを少しアレンジして日本の現場で受け入れられやすいようにしたタイムマシンクエスチョンというものがあって、その手法を軸に事例紹介をしつつ、解決志向ブリーフセラピーがどのようにクライエントに関わっていくか、を描いた一冊です。ひとつひとつの事例の中で、クライエントが成長していく姿がとても感動的で、そんな成長に立ち会えるカウンセラーになれたら幸せだなあ、と素直に思えた本でした。

ブリーフセラピストかどうかを超えて、カウンセラーとしての在り方を感じる上でも、とても影響を受けた本です。

青木安輝「解決志向(ソリューションフォーカス)の実践マネジメント」(2006年、河出書房新社)

こちらはソリューション・フォーカスとなっていますが、内容は解決志向ブリーフセラピーと同じです。青木さんという方は、解決志向ブリーフセラピーをビジネス向けに紹介し、ご自身もソリューション・コンサルタントとしてご活躍されている方です。

全体を網羅した本ですが、森先生の著書に比べるとやや固い(というか森先生の本がやわらかすぎる?)かな、という印象です。

ビジネスの現場、日頃の上司・部下関係などで解決志向ブリーフセラピーを活かしたい場合などは、こういった切り口の本のほうが良いかもしれません。

橋本文隆「問題解決力を高めるソリューション・フォーカス入門」(2008年、PHP研究所)

こちらも青木さんの本と同様、ややビジネス向けな印象の本です。絶版になっていて、中古で購入しました。

ざっと、私が読んだ本(一部は流し読み程度)はこのあたりです。インスー・キム・バーグの本とか、原著にも当たってみようと思って、そちらはまだ読んでいませんが、まず最初に読まれるとしたら上記のいずれか、オススメとしては、

  1. 森俊夫・黒沢幸子「<森・黒沢のワークショップで学ぶ>解決志向ブリーフセラピー」
  2. 森俊夫「“問題行動の意味”にこだわるより“解決志向”で行こう」
  3. 黒沢幸子「未来・解決志向のブリーフセラピー タイムマシン心理療法」

こんな順番で3冊ってところでどうでしょうか。

  

経験代謝

私がCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)として所属している日本キャリア開発協会では、このところ「経験代謝」という概念を発表し、会員に研修を行うなど、周知に力を入れています。

私はまだ研修には参加していないのですが、会報と一緒に郵送されてきた冊子に「経験代謝」の記載があります。以前、少し読もうとしたのですが、なかなか理解が追いつかなかった記憶がありまして、今回、改めて冊子をを読みながら、自分なりに「経験代謝とは何か」を考えてみたいと思っています。

さて、ここまで書いたところで、いったんパソコンから離れて、冊子の一冊目「キャリアカウンセリングとは何か 第1章」を読みました。以前に読んだときと違って、結構すんなり入ってきたような気がします。適切かどうかわかりませんが、自分なりに「経験代謝」を言い換えるとすると、こんな感じでしょうか。

「キャリアカウンセリングを通して、過去の出来事を前向きに再定義することにより、自分の人生を前向きに捉えられるようになっていくこと。」

カウンセラーがじっくり話を聴くことによって、クライエントが過去の出来事を安心して話しはじめ、やがていろいろな感情が出てきて、ある時に気付きが起きる、それまで否定的にしか見られなかった過去が、自分の一部として肯定的に再構築される・・・そんなイメージです。

最近はフォーカシングに熱心になっていたり、このところナラティブセラピーの本を読んだりしていたので、ちょうどその2つの理論が頭に浮かび、理解を助けられたように思います。

うまく説明できているかどうかわかりませんが、私なりに言えば、「経験代謝」とは、フォーカシングでいえば「体験過程が深まり、フェルトセンスに触れ、やがてフェルトシフトしていくプロセス」であり、ナラティブセラピーでいえば「オルタナティブストーリーを意味付けていく」プロセスではないか、と思っています。

体験的に、自分の人生を肯定的に捉えられるかどうか、前向きに表現できるかどうかが、就職活動や転職活動において極めて重要だと感じています。その意味で、「経験代謝」はキャリアカウンセリングのひとつの軸だと言えるでしょう。

ではどのように?という質問に対しては、

  1. 経験の客観視(経験を描く)
  2. 自己概念の影

と記載されています。ひとつめはカウンセラーがクライエントの経験についての状況、心情を聞いていくこと。これは共同作業のようなものだとされています。二つめは少しややこしいですが、自己概念の影=キーワード、とされていて、カウンセリングの中で繰り返し出て来る言葉や表現ということでしょう。これが気付きへの手がかりとなります。

このあたり、具体的な進め方について、私が今メインでやっている学生支援の場合はどうなるかなと考えつつ、ひとまず自分なりの「経験代謝」の理解ができたところで、続きはまた次回以降にしたいと思います。